当基金の資産運用
運用基本方針(抄)
当基金は運用基本方針を定めて、次のとおり、規律ある運用を行っています。
運用基本方針(全文)はこちらをご覧ください。
Ⅰ 年金資産の運用の目標に関する事項
- 運用の目的
当基金は、加入者及び加入者であった者に対し当基金規約に示す給付を将来にわたり確実に行うため、許容可能なリスクの範囲内で必要とされる収益を長期的に確保し、健全な財政を維持することを目的として年金資産を運用する。 - 運用の目標
当基金は、年金財政上の予定利率を長期的に上回ることを目標として年金資産を運用する。運用目標の管理のために運用資産ごとに適切な基準(以下「ベンチマーク」という。)を設ける。
なお、当基金の予定利率(2017年5月策定)は、2.0%です。
2022年4月1日に改正した運用基本方針では、上記の目標を達成するため、向こう5年間の長期的観点から、最適な政策的資産構成割合(「政策アセットミックス」ともいいます。)を次のとおりとしています。
政策アセット ミックス |
期待収益率 | リスク | ベンチマーク | |
---|---|---|---|---|
債券 | 71% | 0.5% | 3.1% | FTSE世界国債 (日本込、円ヘッジ円ベース) |
株式 | 29% | 6.0% | 16.9% | MSCI World(グロス、円ベース) |
合計 | 100% | 2.1% | 4.6% |
(1)リバランスの基準: 各資産の政策アセットミックスからの乖離許容幅は±5%ポイントとし、許容幅の範囲に収まるように資産構成を調整する。
(2)資産区分:
- 債券、株式のいずれも、グローバルで認識する。
- オルタナティブ投資は、債券または株式の代替であると認識する。
- 生命保険一般勘定及び短期金融資産は、債券であると認識する。
- 連合会共同運用事業は、実践されている資産配分に応じて債券または株式であると認識する。
(3) 期待収益率:2021年3月末における資本市場及び経済状況の分析に基づいている。
(4) リスク及び相関係数:2000年4月1日から2021年3月31日までのベンチマークの収益率の年率標準偏差に基づいている。同期間における債券と株式の相関係数は、-0.34である。
アセットオーナー・プリンシプル
当基金は、アセットオーナー・プリンシプルを受け入れます。(1)
■アセットオーナー・プリンシプル
アセットオーナーとは、受託者責任に基づき受益者のために資産を現実に保有して管理・運用する機関投資家のことです。政府は、アセットオーナーに宛てて、受益者(当基金の加入者等)の最善の利益を追求する観点で5つの行動原則(プリンシプル)を示しました。(2)(3)
■アセットオーナー・プリンシプルの受入れ
アセットオーナーは、この原則を確認・検討した上で、賛同するのであれば受け入れることが期待されています。
この原則は、当基金の加入者等の最善の利益を追求して、年金資産の運用責任を果たす上で有用です。したがって、当基金は、5つの原則のすべてに賛同し、受け入れます。(1)
原則1: 適切な運用目的・目標・方針 |
アセットオーナーは、運用目的を定めて、適切な手続に基づく意思決定のもと、目的に合った運用目標・方針を定めて、適時適切に見直すべきである。 |
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原則2: 専門的知見を確保する体制整備 |
アセットオーナーは、専門的知見に基づいて行動することが求められ、運用目標・方針に照らして人材確保などの体制整備を行い、必要に応じて外部知見の活用や外部委託を検討するべきである。 |
原則3: 適切な資産管理 |
アセットオーナーは、基金加入者などの受益者の利益の観点から、運用方法の選択、リスク管理、利益相反を適切に管理するべきである。 |
原則4: 情報の見える化 |
アセットオーナーは、運用状況についての見える化(情報提供)を行い、加入者等との対話に役立てるべきである。 |
原則5: 投資対象先への働きかけ |
アセットオーナーは、自らまたは運用委託先の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の成長を促すべきである。 |
■5つの原則に対する当基金の対応は次のとおりです。(1)
(1)この原則及び当基金の対応は、必要に応じて見直されます。
(2)この原則は、2024年8月28日付けで内閣官房によって「資産運用立国実現プラン」の一環として示されました。ここに示した5つの原則は要約であり、要約にあたっては当基金の解釈が含まれます。この原則の完全な内容は内閣官房のウェブサイトをご覧ください。
(3)この原則は、あくまで原則(プリンシプル)であり、法的拘束力を有しません。しかし、アセットオーナーが、資産運用責任を果たすために重要な事項が網羅されています。